さくら、初夏の新緑、梅雨のあじさいなど、
四季のある日本では、年間をとおしてさまざまな花、
雰囲気、余暇を楽しむことができます。
いっぽう、気温や気圧、湿度などをはじめとする
気象の変化は、私たちのからだには負担となります。
人間はおよそ37℃をたもつ恒常動物です。
外気が変化しても、
体温を一定に保つためのメカニズムが働いています。
体温のを一定に保つため、
意識せずとも自律神経が働いて、
血流や発汗を調整しています。
たとえば血流では、気温が上昇する春から夏は、
皮膚近くの血管を弛緩させ、血流量を多くすることで、
体深部の熱を体表側へ移動させ、
環境へ放熱しています。
反対に、気温が下がる秋から冬は、
皮膚近くの血流量を少なくすることで、
体深部から体表への熱の移動を少なくし、
保温性を高めています。
人の汗の成分をくらべると、
初夏よりも、盛夏のほうが量が少なく、
ミネラルの含有量も少なく、
サラサラしているのだそうです。
これは体が暑さに順応し、少ない損失で、
熱と体温調整ができるようになったことを表しています。
このように私たちの体は、
調整機能をもち、
四季変化に合わせているのです。
※健康気象・・・気象現象が人間をはじめと した生物に与える影響を研究する学問
いっぽう日本に古くからつたわる漢方・薬膳では、
体質や季節変化にあわせた食養生が教えられています。
とくに各季節においては、
気をつけたいことや、
味付け、調理法症、食材など、
こと細かに、こんにちまで伝えられています。
ほんの一例ですが、
おすすめの食材分類を下記にしめします。
春・・・気分を爽快にする香りの食材
夏・・・水分補給してほてりを冷ます食材
梅雨・・水分代謝や体の余分な湿気を排出する食材
秋・・・肌や呼吸器を潤す食材
冬・・・体の温めとアンチエイジング食材
漢方・薬膳の食養生の教えがつたわったのはおよそ1,500年前です。
日本の季節変化や食文化にあわせて、
暮らしのなかで発展し、伝承されてきました。
急速に発展する気象学・生気象学、
古くから伝わる漢方・薬膳。
表現や体の概念はちがっても、
対象が同じ人間のからだゆえ、
大切にしていることは同じなように私は感じます。
日々研究がすすんでいる①気象学、②健康気象学、
暮らしのなかで伝承されてきた③漢方・薬膳。
①②③の考え方を総合して実践することが、
四季のこころとカラダを養い健康を維持できると考えています。
季節・天気・体質にあわせた食養生を心がけ、
どんな季節もどんな天気でも、
楽しく!元気に!過ごしましょう。